セントラルキッチン
社会福祉法人 新生会 サンビレッジ温井 様
“それぞれにその人らしい人生を”を軸に、岐⾩県内で特別養護⽼⼈ホームをはじめ、デイサービス、グループホーム、訪問介護などの介護サービスを展開する新生グループ「社会福祉法⼈新⽣会」様。 その中で、2024年6月本巣市に老人ホーム「サンビレッジ温井」を新設。その際に各施設で提供している食事の調理を集約するためにセントラルキッチンも新規に併設されました。 セントラルキッチンを新設したきっかけや、良かった点、これからの展望など、サンビレッジフーズ管理者 石金様、管理栄養士・チーフ 日比野様にお話を伺いました。
運営拡大の壁を越えるために、 新設セントラルキッチンに託す未来。

サンビレッジフーズ管理者 石金様

管理栄養士・チーフ 日比野様
― サンビレッジ温井のセントラルキッチンが新設された経緯を教えてください。
石金様:もともと、大垣市にある特別養護老人ホームの「サンビレッジ大垣」に併設する形で、各施設の食事や食事宅配サービスとして「サンビレッジフーズ」がありました。 そこでは700食分を調理していましたが、運営施設が増えたことで食数が増えている状態でした。 そこで、本巣市に新しく有料老人ホームを設立する計画がある中、立地が各施設の中心地に位置すること、土地の広さや建物の規模などを踏まえ、セントラルキッチンも新設し、2024年6月に移転しました。
― クックチルは以前から導入されていたと伺いました。
日比野様:クックチルでの調理運営は以前から導入していましたが、クックサーブでの提供も行なっていました。各施設には厨房があり、それぞれの施設で調理する能力はあったので、主菜だけは現地でつくる、という流れでした。 しかし、主菜はクックサーブ、副菜をクックチルという棲み分けで調理を行なっていましたが、調理過程や献立作成の部分で複雑になっていきました。 新しい施設を建てるタイミングで今までの調理運営を見直し、現在は、「揚げる、蒸す、焼く」の3工程だけはクックサーブで残し、 それ以外はクックチルに切り替えて調理を行なっています。

真空包装機

― クックサーブからクックチルに切り替える際に、苦労した点などありますか?
日比野様:AIHOのテストキッチンにて、クックチル対応の調理法を改めて教えていただいたり、展示会に参加したり、AIHOが手掛けた施設にも視察に伺ったりと1年かけて試食を重ね、独自のレシピづくりをスタートしました。
岐阜県は甘辛い味を好む方が多く、利用者様に喜んでいただくため、調味料等で地域ならではの味を引き出し、微調整しながらつくりました。


作業効率をアップしながら、モチベーションもアップ!

クックチルのため、加熱調理した食事はブラストチラーで急速冷却

真空調理を導入

― クックチルに変化したことで現場のお声はいかがでしょうか?
石金様:経験したことが無い調理方式だったので、現場からは不安の声が上がっていました。 しかしクックチル導入後は、以前は1日で終わらなかった作業が午前中で目処がついてきたりと、作業も楽になり「効率的になった」と嬉しい声もいただいています。 また、各施設(サテライトキッチン)では、普段作っていたものが調理済みで届き、再加熱して盛り付けるだけなので、自分たちで味付けをする必要がなくなり、作業効率も格段に上がりました。 その反面、以前から働いていたスタッフには「やりがい」が無くなってしまうのでは、と懸念していました。そのスタッフたちに対してもやりがいを持たせるために、外部のお客様を招いた時にお弁当を提供したり、おもてなしをする機会を設けたりと、実際に調理できる環境も整えています。
― やりがいを持たせるというのはとても良いですね。
石金様:施設利用者様はイベント事を楽しみにしています。今日も(取材当日)イベントの日として、生地から手づくりにこだわったアップルパイを提供しています。 毎月定期的にイベントを開催することで、利用者様に喜んで頂き、現場のモチベーションアップにつながっています。


健康的な食事を軸に地域にも展開していきたい。



― 今後の展望を教えてください。
日比野様:これからの5年後、10年後を見据えると、調理人が「腕を振るう」だけでなく、誰もが「健康的で美味しい料理を作れる」環境を整えることが重要になります。 日々のルーティン作業を効率化しつつ、料理が好きな人がその才能を存分に発揮できる場を提供することで、役割分担を明確にし、人材育成をさらに促進する必要があると考えます。
石金様:当社には管理栄養士が在籍しています。現在は施設の利用者様をメインに食を展開していますが、今後は地の利点を活かし、健康志向のお客様や地域の方々にも「健康」をテーマにした食を展開していきたいと考えています。
― これからクックチルを導入検討される方へメッセージをお願いします。
石金様:将来的な人手不足を見据えると、効率化を図り、一度に多くの料理を作る仕組みが重要になります。ただし、全てを一気にクックサーブからクックチルへ移行するのは難しいかもしれません。例えば、まずは煮物などからクックチルを取り入れるといったように、段階的に進めるのが現実的だと思います。私たちも、将来を見据えながらニュークックチルに対応するなど、時代のニーズに合わせて一歩ずつ取り組んでいきたいと考えています。

食器を熱風で消毒・乾燥する消毒保管機

AIHOの電磁調理器
[ 取材日] 2024年10月
「作業動線や機械の特性なども配慮していただき、色々と提案していただいたのが嬉しかったです。実際に行うと大変なこともありますが、何か問題があった時もすぐに来ていただいたりと、アフターフォローも万全で助かりました。」とお話しいただきました。 AIHOでは食品工場などで培ったノウハウを元に、医療福祉施設向けのセントラルキッチンに力を入れております。本施設では、クックチルを主にクックサーブ、真空調理と組み合わせたマルチ調理を導入いたしました。施設様と当社とでコンセプトからプランニング、事前準備から実運用まで密に打合せを行い本稼働に至りました。 セントラルキッチンは人手不足からの労働力の集約、食材の高騰からの集中購買などメリットの多い方式です。厨房機器のご提案はもちろん、運営のコンサルティング、管理栄養士を中心としたメニュー開発までお手伝いをさせていただきます。まずはお気軽にお問い合わせください。
名 称:サンビレッジ温井
〒501-0473 岐阜県本巣市温井189番地