2025年6月1日から熱中症対策が義務化に!
昨今、地球温暖化等の影響による夏の猛暑が社会問題となっています。2024年の夏も例年以上の暑さとなり、各地で猛暑日の最多記録を更新。8月の平均気温が30度を超える地域も多くありました。
また、2025年の夏も気象庁の予測では、昨年同様に全国的な猛暑になると言われています。
それに伴い、厚生労働省は2025年4月15日に「労働安全衛生規則」の一部改正を発表。
2025年6月1日より対象となる事業所の「熱中症の対策が義務化」となりました。
熱中症の発生が年々増加
異常ともいえる猛暑の影響で、熱中症の発生も年々増加。熱中症による救急搬送者数も2024年は全国で97,578人となり、2008年からの調査開始以降最多となりました。※1
その中でも、厚生労働省が発表した“職場での死亡を含む休業4日以上の死傷者数”は1,257人。
死亡災害が起きたほとんどの事業所では、初期症状の放置や対応の遅れがみられました。※2
[参考]
※1 総務省2024年10月29日報道資料
※2 厚生労働省2025年5月30日報道発表資料
そもそも熱中症とは・・・?
➡︎体内のバランスが崩れて起こる異常の総称。めまいや頭痛、ひどい場合はけいれんや死に至る場合もあります。
高温や多湿、風が弱い、輻射熱などがある環境でなりやすいと言われており、 特に労働時や運動時は要注意です!
義務化の内容は大きく分けて3つ
昨年までは“努力義務”だった熱中症対策も、事業所で熱中症が発生した時に迅速かつ適切に対処できるようにするため、該当事業所では2025年6月から熱中症対策が義務化となりました。
その内容は大きく分けて3つあります。
1:報告体制の整備
熱中症の症状がある労働者を発見時、速やかに対処できるよう緊急連絡先や担当者、搬送先などの報告体制の整備をすること。
2:重症化防止の手順の策定
作業からの離脱や身体の冷却、必要に応じて医師の診察など症状の悪化防止に必要な内容や手順を事業所ごとに定めること。
3:労働者への周知
上記の1、2の内容を労働者や関係者へ周知し、もしもの場合に対応できるようにすること。
上記の内容を踏まえた対策を講じ、ぜひ積極的な熱中症対策を心がけましょう。
「うちは関係ない」は危険?!業種や室内外は関係ない!
今回の義務化で対象となるのは、以下2点のいずれかの作業に該当する、もしくは該当する可能性のある事業所となります。業種や職種は問わず、室内でも対象となる事業所も・・・。
怠った場合は法的責任が課される場合があります。
1:暑さ指数(WBGT)28度以上気温31度以上の環境下で、連続1時間以上の作業
2: 〃 1日あたり4時間以上の作業
AIHOのお客様でも、実際に洗浄室内が上記の対象となってしまっている作業環境がありました。
学校給食センターや病院・福祉施設などの洗浄室では、洗浄に大量のお湯を使うので高温多湿になりやすく、注意が必要です。
暑さ指数(WBGT)で暑さを“見える化”
暑さ指数(WBGT)は「熱中症の危険度を示す目安」で、気温・湿度・輻射熱を総合的に考慮して判断されます。
様々な環境管理において国際的にも使用されている指標で、暑さ指数が28度を超えると熱中症患者の発生リスクが急激に高まるといわれています。
正式な測定には専用のWBGT測定器が必要ですが、気温と湿度で簡易的に判断することもできるため、日常的なチェックにも取り入れやすい指標です。
今はもう“暑い!”だけじゃ済まされない時代です
熱中症は、どの職場でも起こる可能性があります。職場環境や休憩の取り方などをこの機会にもう1度見直して、積極的な熱中症対策を取りましょう。
次回は、厨房運営においてどのような対策を取ればいいのか、
AIHOの製品ではどう暑さを防げるのかなどを深掘りしていきます!
後半:厨房・洗浄室の熱中症対策に。AIHO製品でできること に続く
( 7月11日公開予定 )