病院給食
国立大学法人弘前大学医学部附属病院 様
「国立大学法人弘前大学医学部附属病院」様は70年余りに渡り、北東北医療圏の中心的な中核病院として、先進医療の開発や高質医療の役割を担っております。今回、病院の栄養管理部を含む病棟の建て替えということで当社の厨房機器を導入いたしました。導入したきっかけや導入後良かったこと、今度の展望など、管理栄養士長の三上様にお話を伺いました。
課題を解決するためニュークックチルへ。
― AIHOの機器を導入したきっかけを教えてください。
私たちは「患者様1人1人に合わせた食事を美味しく安全に提供し、1日でも早く社会復帰していただく」ことを理念としていますが、厨房では当時、多くの課題を抱えていました。課題のひとつは、給食業務における人材不足です。募集しても応募がなかったり、入職してもすぐに退職される状況でした。次いで、大量調理マニュアルの調理後2時間以内に喫食するというルールを順守することが難しい状況にありました。また、複数のスタッフが調理に携わるため、味付けのムラや調理形態のムラなどが生じ、適切な状態を再現できないというような問題も抱えていました。理念を実現するために、新しい厨房でこれらの課題をどのように解決したらよいのかとても悩んでいました。そのような時にAIHOさんが当院に営業に来ていたことがご縁で、課題や悩みを相談したところ、ニュークックチルの提案をいただきました。
― ニュークックチルの提案があった時、どんな印象でしたか?
私はそれまで、微塵もニュークックチルを導入することを考えていなかったので、全く想像がつきませんでした。私たちが1番 実現したかったのは「安全で美味しい食事」であり、美味しい=クックサーブだと考えていたので、ニュークックチルの提案があった時はとても驚きました。クックサーブからニュークックチルに給食方式を変えるということは、私たちにとっては大きな挑戦でした。献立をはじめ、栄養管理システムや厨房機器、スタッフの配置など全てを変えなくてはいけないので、現状の能力で対応できるのか?満足度が高い食事を提供できるのか?費用は賄えるのか?と、多くの不安が募りました。
施設見学や試食会の実施で、計画段階の不安も解消。
再加熱調理器”リヒートクッカー”を10台導入して頂きました
― その不安はどのように解消されましたか?
AIHOさんがニュークックチルについてわかりやすく説明してくれ、われわれの疑問にも丁寧に答えてくれました。その他、展示会などに参加してニュークックチルで作った料理を試食したり、ニュークックチルを導入している施設の見学をしたり、デモ機を厨房に設置し、ニュークックチル方式の調理を実際に体感するなど、ニュークックチルに関する情報収集や経験を重ねました。また、院内の事務スタッフにも試食をしてもらい、「美味しい」「良いね」と評価を得たことで、大きく不安が解消されました。私たちの病院は35の診療科と27の中央診療施設があり、栄養管理が必要な疾患や病態が幅広く、献立の数が多いのが特徴です。ニュークックチルを導入する際には、これまでの献立の集約や、献立の組み合わせや食材の変更、調理工程などを工夫しました。これらの作業にもAIHOさんのスタッフが手厚くサポートしてくれたので大変助かりました。
患者様からのアンケートからも「美味しい」と高評価。
角釜立体炊飯器“シャリプロα”
コンビオーブン
― 実際にニュークックチルを導入して1年ぐらい経つかと思いますが、導入後良かった点を教えてください。
1日3食、主菜と副菜にニュークックチルを導入しています。1年半が経ちやっと落ち着いてきたところです。新厨房で大きく変化したことは人材が定着したことです。ニュークックチルは計画生産なので、 調理に経験がない方でもできる作業があり、「できない、難しい」というような苦手意識を持つことが少ないのではないかと考えます。また、日中に作業を集中させることができるため、早出や遅番を少なくし、昼間に勤務することができます。さらに現在、ミャンマーからの技能実習生5人が調理作業を担っており、どのような方でも作業しやすい環境になっています。そして、以前に比べると調理作業の開始時間が1時間遅くなり、調理作業の終了が1時間早くなりました。その他、患者さんに食事アンケート調査を行った際に、「美味しい」「以前と変わらない美味しさ」と評価いただいたのが嬉しかったです。アンケート調査では、病院食を食べる前のイメージと食べた後の感想を問う項目を設け、食べる前のイメージで「美味しい」が30.6ポイントだったのに対し、実際食べた後の感想では55.6ポイントが「美味しい」という評価で、食べる前のイメージより25ポイントアップしていました。これは、思っていたより美味しいという評価を得たものと考えられ、ニュークックチルに変更後も患者さんに満足度が高い食事を提供できていることが確認でき、自信が持てました。ちなみに食べた後のその他の感想は「普通」が29.2ポイント、「美味しくない」が15.2ポイントで、今後はこれらのポイントを「美味しい」に向上させることが目標です。
理念を実現するために「何が必要なのか」を整理する。
新病棟の一室から眺める岩木山
新病棟
トレー洗浄付食器洗浄機
― 今後の展望と、これからニュークックチルを導入検討される方へメッセージをお願いします。
今後ますます、少子高齢化が進み、労働人口が少なくなり、新たな課題が増えていくと思います。課題を解決できるよう、時代に合った働き方や、手順、機器を導入し、当方の理念である「患者さん1人1人に合わせた食事を美味しく安全に提供する」ことができるよう努めていきたいと思います。今後導入を検討する方は、それぞれの施設によって背景や抱える悩みが違うとは思いますが、理念を実現するために何が必要なのかを整理し、導入を検討するのが良いかと思います。当方での失敗は、オープン時の人員不足とトレーニング不足です。スタッフ配置の不備や事前にトレーニングをする機会がほとんどないまま、本番を迎えたため、スタッフがかなり大変な思いをしました。今後新たにニュークックチルを導入する方は、ぜひ事前に必要な人員を確保し、入念に練習を重ねて欲しいと思います。
[ 取材日] 2024年9月
「全てがはじめてで、わからないことだらけでしたが、AIHOさんに1から100までワンストップでサポートいただいたので、現在、新しい厨房から多くの患者さんに安全で満足していただける食事の提供ができています。AIHOさんとの関わりで一番印象に残っていることは、AIHOさんのスタッフの方が当方の厨房に入り、調理や機械操作の指導などをはじめ、当方のスタッフの動きを見て、問題点をすくいあげ、解決に至るまできめ細かく対応してくれたことです。例えば、魚の調理方法でリヒートクッカーに入れ再加熱した時に、焼き魚なのに水分がたくさん出てきてしまい煮魚のようになったことがありました。そういった悩みも『こういう風にすると良いですよ』と丁寧に教えていただき、うまく仕上げることができました。」と三上様のお言葉がありました。当社では、アフターフォローや対応力にも自信があります。まずはお気軽にお問い合わせください。
名 称:国立大学法人弘前大学医学部附属病院
所在地:〒036-8563 青森県弘前市本町53番地